横尾忠則・喪黒福造・安倍吉俊

 
行ってきた。8月7日俺の誕生日。と我らが花やしきの誕生日。

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全然事前情報なしで、名前だけ聞いたことあるなぁぐらいの知識で、いざ国立現代美術館へ。
結果、圧倒された。とにかく展示されていたもの全てカッコいい作品だらけだった。色使いとか世界観とか、単なる絵画ではないギミックのあるエンタメ要素のあるもの、そして、精神世界にどっぷりつかりこんだような作品、ありとあらゆる横尾忠則ワールドを楽しめることができた。来たからにはさあみるぞという心持ちで最初から気合入れて観ていたから、序盤で疲れて後半は割と足早に眺めるように見ていった。こんなに圧倒されたもんだから、画集の一つでも買って帰ろうかなと思って物販寄ってみたが、画集をパラパラ観ているうちに、なんだか違うなと思い、展示場を後にした。
あの落差は一体なんだろう。展覧会の内容を美化したまま思い出として保存しておきたかったのだろうか。しかしながら、買わなかったのは少し後悔。でも、買ったところで、読むかって言ったら読まないだろうし、どこかで古本か何かで見つけたら手に取ってみようとは思う。現金な奴。
 
その翌日、前日の余韻がまだ残っていて、それをなんとかして解消したく思い、経済的手法を用いることにした。漫画の爆買いである。
向かう先は中野ブロードウェイ、そう、まんだらけが目当てである。
まんだらけは場所柄秋葉原店にはよく足を運び、漫画を買っていくが、承知の通りこの日は気分が少しのっていたんで、少しの遠出でもって中野店を選んだ。
素晴らしい漫画の宝庫に毎度の事興奮しながら、ボーナスで懐が暖かめの私はかごに漫画を次々と入れていく。ミニマリストのみなさんには申し訳ないが、私はこれが好きなんです。決してお金もちでないしがない一般庶民の贅沢な行為の一つ。この時だけが私は夢を見ることができるのです。
しかしながら、わざわざ遠出をしてきたということもあり、久しぶりに漫画を思いのほか購入することができた。
最近の傾向としては、ガロ系作者、藤子不二雄関連(もっぱらA先生のほう)が多い。
ガロ系作者とひとくくりにして大変申し訳ないが、なかでもお気に入りは、近藤ようこの漫画がグンバツで私の心に突き刺さる。単純に話の組み立て方が上手くて、アッという間にストーリーの引き込まれている。後、登場する若い女性がみんな美しい。どうしてこんなにも魅了されているのか不思議、いや、本当はわかっているのような気がするけど、整理しきれていないから、書くことができないだけなのかもしれない。
藤子不二雄A先生の描く漫画、特に笑うせえるすまんなんて、救われない人の話ばっか描かれている。ブラックコメディというジャンルを漫画で切り開いた一人は間違いなく彼だろう。後味悪いのがなんだか癖になる。あそこの中華料理屋たいして旨くねえんだけど、また来たくなる。なぜなら、それを求めに来ているから。後味悪くなりたいっていう気分も時には必要だって、じゃなきゃタバコなんて吸わねえ、酒も飲まねえんです。そういう人間の業を描くのが得意というか、漫画界において先駆者みたいなもんだから、古い作品でも多少古めかしい表現さえあっても気にならず、徐々に読者をAワールドに引き込んでいく。
 
 
そして、横尾忠則展つながりではないのだが、最近ツイッターパラパラ観てたら、なんと安倍吉俊展がやっているではないかという情報をキャッチした。
 
正直、NieA_7だけしか追えていないほどのド級のつくミーハーなんですが、絵にとても魅了されてしまって、本当は灰羽連盟lain等必修科目というのは承知しているのですが、なかなか重い腰が上がらずに10年ぐらい経って今に至っています。でも、NieA_7は好きで、おかげでSIONを知ることができたし、10代後半の多感な時期に出合った作品の一つなので、思い入れがあるのは確かなんです。
ということで、今から三日前ほどに、見に行こうってもんで、神田に行ったことはいいが、着く時間が早すぎて、喫茶店で休憩して時間をつぶしていた。資格の勉強でもするかと、初めて見れば、あっという間に時間が過ぎ、そろそろ行くかと喫茶店を後にして、展示会会場に向かってみれば、「整理券配布終了」の張り紙がされていて、まるでニア(NieA_7の主人公)のようにズコーっと滑り崩れた。
悔しいったらありゃしなかったんで、とぼとぼと神田をふらつき歩いて帰ったのですが、飲み屋がまあ多いこと。結構な歓楽街なんだということを認識して、コロナ禍が落ち着いたら飲みにでも行きたいけど、こんなところで喪黒福造みたいな人に出会ったりしたくはないな、なんて思いながら神田を後にした。