AUS漂流 序章

 

はじめに

2017年5月~2018年9月の期間オーストラリアにワーキングホリデー制度を利用して滞在していた。

ワーキングホリデーは賛否両論ありますが、自分にとっては最高の人生経験の一つになった。ここでは何が良くて何が悪いかなんて野暮なことは書かない。これは経験した人にしかわからないからだ。少なくともコロナ禍以前にオーストラリアへ行くことを選択したことは大変ラッキーであったと思う。

とても思い出のあるオーストラリアでの経験を、その時の記憶がなくなる前に文章にして残しておくことが必要だと最近ふと思った。また、これが果たして参考になり得るかどうかはわからないが、数少ない読者、若しくは検索でいらっしゃった未来のオーストラリアワーホリを目論む読者、及び、目下ワーホリ真っ最中の読者への情報を提供も兼ねて書いていく。なぜなら自分も当時ネットを駆使して様々な情報を集め、それは時として役に立つことも多くて感謝していた。しかしながら、ここで書ききれない詳細等については直接コメント及び何かしらの手段で自分に直接問い合わせてほしい。微力ながらもお力添えになれたらと思う。

 *自分はオーストラリアでファームワークしか経験していず、いわゆるシティジョブを求めている方たちには大した情報提供はできないかもしれない。ただ同じオーストラリアという土地に足を踏み入れるならば、少なからずとも参考になり得る情報もあるだろう。

 

理由

なぜ自分がワーキングホリデーそしてオーストラリアという土地を選んだかの理由をいくつか述べておくことは必要だろう。それは場合によれば、未来のワーホリへ行く方の参考になるかもしれない。

 

 ①経験者が周りに居た

自分は、オーストラリアが初海外ではなく、時間を持て余したフリーター生活を送っていたので、その数年前にアジア周遊を5か月程したりしていた。いわゆるバックパッカー的なやつ。その時に知り合った方たちの多くはワーキングホリデー経験者で、その体験談等を聴く機会が多く、自然と興味を持つようになった。

最終的なきっかけは、日本で農業アルバイターとして働いたときに知り合った夫婦の存在だ。彼らもオーストラリアワーキングホリデー経験者で、現地で知り合いご結婚されたそうで、当時彼らとは一緒に生活を共にする仲でもあり、彼らの体験の情報を通してかなり影響を受け、ワーホリに行くにあたってのアドバイス等をいただいた。

やはり、身近にそうした生の情報があると行動を生み出すきっかけになりやすい。

 

 ②異国の地での生活

海外旅行の経験はありましたが、それはあくまでも旅行であり、生活を送ることではない。そんな異国人としてのもどかしさのような感覚が、海外旅行の際に感じることがあった。それならば、ある一定の期間居住して現地の人たちと同じように生活してみるのも悪くないかもしれない。

また、農業アルバイターとして働いていた当時、先の夫婦と同じ時期に、共に仕事をした海外技能実習生のカンボジア人の3人組との交流も、興味を抱くきっかけとなった。彼らがどんな思いで、異国人として日本に出稼ぎに来て生活していたのだろうか。それを自分でも同様に経験するのも面白いように思えた。

 

  ③お金

ワーホリ経験者の体験談に共通して出てくる話題がお金の話で、他のワーキングホリデー諸国と比べてオーストラリアの給料が高いということ。それが結果として漠然と貯金も目的となる。インターネットの情報でも結構な額を稼いで日本に帰国する人、もしくはそのまま海外周遊する人などが多数である。当時、自分も同じようにその貯金したお金で再び海外周遊を計画していた。しかしながら、それは結局行わなかったのだが。

 

 ④英語

漠然とした英語しゃべれるようになりたいなという思いがあった。それは海外旅行を経験したからというのもあり、当時の目標である海外周遊をより一層面白いものにしようという気持ちもあった。そして、個人で英語の勉強するということに限界を感じて、いわゆる郷に入っては郷に従えを信じ、オーストラリアへとむかったのである。

 

訪れた土地と仕事

自分の場合はオーストラリアでは、ファームに絞って仕事を探していた。将来的に日本で農業をやろうという志があったことと、ファームジョブが基本的いわゆるシティジョブに比べて賃金が高いというのが主な理由である。

なので基本的に訪れたところはいわゆる有名観光地ではなく、一般的には田舎のマイナータウンがメインであった。しかしながら、過去にオーストラリアでファームジョブを経験している方や、只今目下オーストラリアワーキングホリデーを行っている方は、もしかしたらここに載せる地名の幾つかは存じ上げているかもしれない。

以下が訪れた土地とやった仕事のリストである。 

 

 

 

以上のように、自分はわりかしとオーストラリア国内を転々としていて、各地のファームで仕事を得て、また一定期間を経た後、移動して仕事を得るという生活スタイルであった。飽き性でもあるが、それよりもせっかくこのオーストラリアという広大な土地に降り立ったのであるから、いろんな場所へ行き色々な景色を見てみたいという思いがあった。

*誠に残念ながら西オーストラリア州オーストラリア首都特別地域(ACT:キャンベラのある州にだけ訪れなかったので、そのあたりの情報は皆無だ。

 

生活

そうして、各地に移動しては、現地で宿泊先を探して一定期間そこを居住地としていた。定住先は、ホステル(バックパッカーズ)やシェアハウス、ファームが用意してくれるコンテナアコモデーション、モーテル、キャラバンパーク(テントサイトのようなもの)、果てはキャンピングバスといったように多岐にわたる。

先にあげたように、ワーキングホリデーの目的の一つが貯金だったので、基本的には安い定住先を見つけるようにしていた。しかし、自分の情報不足や気に入った場所があれば多少レント代が高いと思っても払うこともあった。

より貯金に念頭を置くためには、日々の生活でも節約を試みていた。思い返せば、贅沢はしないし、遊びに出かけることも少なかった。定住していた土地柄もあるけれども、主として田舎のほうなので、都市部に出かけるためには車で何時間ものドライブが必要であった。

このような生活スタイルをオーストラリアで送っていたため、最初に述べたように、いわゆる都市部でのシティジョブを経験したことが無いといことは、再度忠告しておく。しかしながら、自分はファームの経験だけはそれなりにあると自負している。それは、もしかしたらセカンドビザを取ろうという気持ちがある方たちには役に立つにかもしれない。

オーストラリアではセカンドビザ取得の条件として、88日間の第一次産業での労働が義務付けられている。(2018年当時)

 

終わりに

以上の事柄に関して各定住先に分けて、不定期に記事を載せていこうと思う次第である。

2年ほど前の経験でなおかつ当時、こういったブログのようなものをやるつもりはなかったため、一部写真や情報がない部分があり、記憶に頼って書いていくつもりである。ただし、記憶が曖昧なところもあるかもしれないので、そのあたりは何卒ご容赦願いたい。

相も変わらず休日を利用してのレコードディグにはまっているわけで、そんなことしか書くことしかないし、それがこのブログの目的でもあるから最近のお気に入りの盤を自分の備忘録としての意味をも込めて載せていこうではないか。

 

Betty Boo – Where Are You Baby?(12inch single)

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一発目からアゲテいく。ネットでジャケ買い。最高です。ハウスな音にキュート&ポップなラップ。日本でいうピチカートファイブてところか?

 

Midget – Jukebox

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良心的ポップパンク。ネットでジャケ買い。ホーンが良い活躍してる。このアルバムの一曲目が最高です

 

Dancing Hoods – Baby's Got Rockets (12inch single)

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最近のお気に入りのバンドの一つ。良すぎてこの曲のシングルをネットで見つけたときには即ポチでした。ジャンルはdiscogsだとalternative rockになってますね。

このバンドの感じがすごくPRAISEっぽいんですよね。PRAISE聴いてなかったらこの古臭い感じ苦手だったと思うんです。

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似ていると思うのは単純に音作りの問題ですかね?いや勿論PRAISE(というよりプロデューサーのWill Yip?)がこの時代を意識した音作りをしているんでしょうけど。もしかして影響とか受けてるのかな。このPVを見てみると80年代とかのMTVを意識してるだろうから、この時代の音楽をリスペクトしてるのは間違いないと思う(それか単に皮肉ってるのか?)

 

Jimmy James And The Vagabonds - I'll Go Where Your Music Takes Me(7inch single)

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踊りたくなる。てか踊ってた。某近所のレコ屋で。これbidduがプロデュースしてるんですよ。たまたま同じくbidduのプロデュースのNazia Hassan 「Disco Deewane(LP)」を持ってたんです。

 

youtu.be

このアルバムも好きなんですが、だからといってそれでbiddu関連の作品に手を伸ばすわけでもなく月日が流れて、先日7inch箱をディグってた時にbidduの文字が見えたんで手に取りました。

ググるとこんな逸話が↓

indian-music-catalog.com

へー。売れない頃に日本のGSバンドのタイガースのプロデュースとかもしてたんですね。意外な日本との接点に驚きです。

 

Miles Davis – Bags Groove

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最後はコレ。高校くらいの時にジャズを聴かねば!という時期が来て、図書館で借りてよく聞いていたのを格安(相場は知らない)で見つけたので思わず手に取りました。ジャズは全く詳しくなく、有名どころの名前しか知りません。そんな自分にも聴きやすいと思えるアルバムでした。

 

という感じで相変わらずジャンル関係なしにレコードで音楽を聴く日々を送っているわけです。

 

下北沢へ行ってきもしたわざ

先日の土曜日に下北沢へ行ってきた。目当てはもちろんレコード。下北沢に訪れるのは凡そ半年ぶりとか(それも定かではない)ぐらいの久しぶりのことだった。前回訪れた時も期間が大分空いていた気がする。

学生の時はよく訪れていた。小田急線を通学として使っていたことと、当時のバイト先が下北沢から歩いて行ける距離だったので、何をするでもなく寄り道してはよくぶらぶらとしていた。当時はまだレコードにそこまで熱を入れていなかったので、行くとしてもディスクユニオンや、燻っていた学生だったので古本屋など冷やかしでよく訪れていた。

そんな思い出の地の一つである下北沢が実は自分の最寄り駅から一回乗り換えで行けることに最近気づき行ってみることにした。

当時はそうであったのかはわからないが、今下北沢はレコード屋がたいへん多いと聞く。

 

www.timeout.jp

恐らく上にあげられている店以外にも、音楽バー等を含めて音楽を楽しめる色々な環境がそろっていると思われる。なんともうらやましい環境であるが、もし近辺に住んでいたら恐ろしいくらいの金が飛んでいくことは間違いないであろう。

 

というのはさて置き、この日は上にあげたショップリストに載っている幾つかの店舗に訪れたので、それについて綴っていくわけである。

 

初めに訪れたのは言わずと知れたレコードディガーに絶大な支持を集めるといわれる有名店であるFlash Disc Ranch。

丁度いい広さの店舗で、内装とかも少し雑多な感じが最高に心地良いレコード屋だ。過去に一度訪れたことがあるが、その時に何かを購入した記憶はない。三枚で2000円コーナーや、一枚300円コーナーなどがあったりわりかし低価格で購入できたりするのも売りらしい。色々と物色しているうちに気づいたらあっという間に時間が過ぎていった。ここでは三枚ほど購入。そのうちのひとつがCat Stevens の「Teaser And The Firecat」である

 


Cat Stevens - Moon Shadow (1970)

少し癖のある声と優しいメロディが結構好きで、他にアルバムを2枚ほど持っているぐらいにはよく聴くアーティストだ。

レジにこの品を持っていき会計をするときに、店主の方に上にあげた曲がおススメだと話かけていただいた。そんな何気ない一言が結構うれしくて、このアルバムに対する思い入れがそれだけで生まれるんだなと感じた。この間の新宿でレコードを買った時もそう思ったが、少しだけでも会話があるだけでその日に買ったレコードに魂が宿る。

このアルバムも他のと同じくやっぱりどの曲も優しくて聞きやすい。落ち込んでいるときに励ましてくれるような魅力がありおススメです。

 

Disk Union 下北沢店

説明不要。ここ行けば何かは必ずある。そしてこの日もあった。Dirt Bike Annieの7inchが特によかった。


Dirt Bike Annie - Simple With Attitude

こういうポップパンク/パワーポップが最近好きで、女性男性ボーカルの掛け合いとかあるとなおさらたまらない。

 

下北沢には慣れているはずだと思ったが、いざ次の行き先へ行こうとしてもなかなかたどり着かずグーグルマップと睨めっこしながら着いた先がGENERAL RECORD STOREだ。渋谷にあるFACE RECORDSの姉妹店としてオープンしたという。2016年オープンなので自分が学生の時にはこの店は存在しなかった。見覚えある場所だと思って見渡すと、店の近辺には当時よく訪れていた古本屋があった。そしてDISC UNIONにも近い。

大変きれいでおしゃれなつくりであるにもかかわらず、この日訪れたときは「パンダコパンダ」のレコードがずっと流れていた。多少意識を「パンダコパンダ」のお話に意識を向けつつ、ここではThe Carpentersの「The Singles 1969-1973 」を購入した。


Carpenters Yesterday Once More

この曲といえば↓もコレも最高。


イエスタディ・ワンス・モア

 

最後に訪れたのはELLA RECORDS。この日もっとも収穫あったのはここだった。ここもgooglemapを見ながらたどり着いたのだが、場所が3階にあると気づかず、しばらく辺りをさまよっていた。

店内は天井が高く開放感があるので、広く感じ居心地がいい。レコード屋というかオシャレな服屋のようで、そんな場所を生むのがこの下北沢という土地柄のためなんだろう。

ここはほとんどのレコードに丁寧にも解説がついていて、それを読みながら楽しくディグできた。いくつかの往年の名盤を購入した中でも最も大きな収穫は↓だ。

 


Who Loves The Sun (Mono) (2015 Remastered)

学生の頃より良く聴いていたバンド。バナナが一番有名だけど、一番聴きやすいのはこれだと思う。一応オリジナルアルバムはCDでは全部持っているぐらいには好きなんだけど、ルーリードのソロ作まではまだ手を出していない。過去に何枚か聴いたがあまりハマらなかった。

CDで良く聴いていたアルバム等をレコードで買いなおすのもレコード購入の楽しみの一つだと思う。

 

とまぁこんな感じで充実した一日を過ごすことができた。次はどこのレコード屋でどんなレコードとの遭遇があるのか。そんなことを考えて少し高揚するのが最近の生きる糧の一つだ。

Run Forrest Run!

今週のお題「運動不足」

 

運動不足を感じたことは今の仕事になってからは感じたことは無い。ほぼ肉体労働のような仕事に従事しているためだ。それに加えて、自転車で毎日往復20キロの通勤をしている。これらのおかげで、恐らく一般的な大人に必要な運動量はカバーしていると思われるから正直ラッキーだ。

通勤はその時の気分や天候にもよるが、とても気持ちが良い。毎日自転車で通るルートに河川敷があるため、ほぼ信号に遭遇せず、その間はノーストレスで走ることができる。さらに毎日のように河川敷を走っていれば自ずと四季の移ろいを感じることもできる。四季を感じる喜びは間違いなくあるのだが、一転、気候に対するストレスも大きい。基本的に、雨天でも雨合羽を着て自転車で通勤することにしているのであるが、夏の雨は兎に角つらい。なぜなら、気候が蒸し暑いのにもかかわらず合羽を着なければならないので、余計に蒸し暑い。冬の雨になれば、合羽である程度は雨は凌げるのだが、乗り始めはとにかく冷える。乗ってしまえば最終的には温かくなっていくのは幸いだ。

そして、雨より辛いのが風だ。特に河川敷は風の影響を受けやすい。それが追い風となれば万々歳なのであるが、どうしてもそうならない時は風の影響を受けて自転車は進みづらい。単なる普通の風ならばまだしも、強風の向かい風なんてくれば、本当に自転車を進めることができず、その時は降りて歩いたりもする。

そうした主に気候に関するストレスはあるが、満足はしている。というよりも満員電車にどうしても乗りたくないから、仕方なく乗っているという理由もあることは否めない。

このように運動量は満たされてはいるはずであるが、どうしてもさらなる運動を体が求める時期があったりする。そういう時はジムに行ったりもしていた。お気に入りのジムには銭湯も併設されていて、運動後に銭湯へ直行して汗を流したりもしていた。それはもう本当に至福のひと時であった。

最近はジムに行くことは無く、運動といえばランニングがもっぱらである。大体30分程家の近くを走ったりして戻ってくる。今夏の時期などは自分にしてはよく走っていた。走り終えて家につき、エアコンで部屋の温度を下げて置き、シャワーを浴びる。浴び終えた体でエアコンの真下に向かい、これ以上ない最高の冷風を直接体に浴びて、タバコを吸うのである。やはり、運動後にご褒美は必要だ。

季節も秋に移ろい変わり、気温も下がってきているので運動しやすい時期になってきたこともあり、また近々ランニングを再開でもしようかと目論見中である。

 

おやつと好きな漫画

今週のお題「好きなおやつ」

 

今一番好きなおやつを一つ選ぶとすれば「アルフォート」になります。

これは数年前から好きになったものの一つなんですが、そもそも小さいころはそこまで好きではなかった記憶があります。チョコレートの部分は好きだったが、あのビスケットの部分がどうしても好きになれなかったのです。

それが変わったきっかけの一つとして、花輪和一刑務所の中』があります。

刑務所の中

刑務所の中

 

 この漫画は、筆者である花輪和一が銃刀法違反のために逮捕されたのちの刑務所の中の様子を描いた体験記です。→参照 刑務所の中 - Wikipedia

その漫画のひとつのシーンに、受刑者が集って見る映画の行事のシーンがあります。そこで、各受刑者たちにアルフォートとコーラ?が配給され、受刑者が映画の最中に名残惜しそうに手元でアルフォートの数を数えながら食べる場面があります。その時には「そういえば、そんなお菓子あったなー」ぐらいに思っていてたんですが、その後に、20歳前後の頃、コンビニでアルフォートを手にして食べたとき、「あれ、こんなにおいしかったっけ」と感じ、それからお菓子を買うときは大体アルフォートを買っていました。

それにつけても(この漫画の重要ワード!)、この漫画は食のシーンが秀逸です。花輪和一の元々の画力もありますが、細部まで拘り抜いた表現は狂気さえ感じます。

最近、泉昌之『かっこいいスキヤキ』を読んだのですが、この作品も食に対する異常な拘りが描かれていて、それに通じるものがあります。後で知ったのですが、この作者はあの孤独のグルメの原作者の久住昌之と漫画家泉晴紀のユニットで、この食の表現に合点がいきました。

かっこいいスキヤキ 新装版

かっこいいスキヤキ 新装版

  • 作者:泉 昌之
  • 発売日: 2020/09/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

正直、読み終えた後には想像していた刑務所の中は描かれていませんでした。ごく普通に、刑務所の中は辛くて大変なものなんだろうなと、当時20歳ぐらいの自分は思っていたのですが、この漫画を読み進めていくとどうしてもそうは思えません。まるで日常系アニメを彷彿させるような日常を、筆者は持ち前の観察力で描いています。

恐らく、あくまで実際の体験は自分がこの漫画で得られる知識以上には過酷なのでしょうけど、筆者はそれをエンターテインメントとして上手く作品に落とし込んでいる。それで思い出すのが、吾妻ひでお失踪日記』です。

失踪日記【電子限定特典付き】

失踪日記【電子限定特典付き】

 

 これなんか特に絵柄のせいもあって、ホームレス×日常系という内容なのですが、実際は過酷な体験だったと作者は語っていたのを何かの記事で読んだ気がします。

 

話はそれましたが、過去を通して今現在も漫画や映画等に影響を受けやすいタイプの人間なので、その作品の中でうまく描かれたもの等にすぐ食いつきたくなる性分です。なので、自分の好きなおやつのひとつは、刑務所の中を読んだ読書体験の結果として、アルフォートになります。

 

 

SWEET HOME IWATE

今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」

 

毎年この時期になると、母の実家がある岩手の祖父母の家へと向かう。この時期、叔父を中心として毎年稲刈りを行っているのだが、それに2年程前から手伝いとして参加している。本来ならば、今回も参加する予定であったが、今回はコロナという事情もあり、参加することを控えた。

稲刈りは主にコンバインで収穫され、それが機械の中を経由して籾に分けられ残りの稲穂は田んぼに放出される。その籾は、一定の分を収穫し終えた後、軽トラックに乗せられた大きな籠移動させられ、それを地域のコメ収穫センターまで運ぶのが主に自分の仕事であった。毎度同じ道を往復するだけの単純な仕事であったが、年に一度であったし、マニュアル車である軽トラで岩手の山に囲まれる自然を感じながら運転することに退屈さを感じることはなかった。

毎年車で祖父を連れていく秋田県との県境の山にある須川温泉に行くことや、盛岡まで出向いて数件あるレコード屋でディグするといったことが今回叶わなかったのが非常に残念である。

そのような祖父母の家に訪れられないことが残念と思えるようになったのもここ数年の話である。今から5,6年ほど前までは、そのような気持ちは芽生えなかった。そちらまで出向くのが非常に億劫だとさえ思っていた。高校生ごろぐらいまでは、毎年の恒例行事として両親に仕方なく連れられていた記憶がある。連れられた先で数日滞在し、大抵、盆の時期に行くのでお墓参りだとか、祖父母及び親戚一同とたいして面白みのない歓談をしたりすることは非常に無為な時間だと思えた。

そんな気持ちが心変わりしたのは、自然あふれる田舎に興味を覚えたのが一つのきっかけである。学生時分はそのことに対していかほどの興味を覚えなかったが、ある時からそういう環境が美しく見えたのだ。それは過去の、とある地方とオーストラリアでの農業経験が主な原因とみれる。各々の地に滞在したときは、大抵岩手のような自然あふれる田舎(オーストラリアはまた異なるが)が主であった。一方で、現在は東京に暮らし、仕事をして日々を都会の中で過ごしている。恐らく、現在の自分からすれば過去のそのような経験や風景に懐かしみを覚えているのだろう。

また、それに加えて、車の運転を覚えたことも大きなきっかけになるだろう。「地方では車が必須だ」ということが痛いほどわかるような場所に所在する家なので、どこかに行く際は必ず車で出向かなければならない。ならば、車で行ける観光地やらに訪れたり、近年、より音楽に熱が入っているので、その地方のレコード屋やリサイクルショップに訪れディグすることができる。そうした楽しみを作り上げていったのであった。

そのような事情から、今回訪問することが叶わなかったのが非常に残念であるが、来年に期待しながら、時期を見てまた訪れようと思っている。

 

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Jacob Miller – The 'Killer' Rides Again

世間的には4連休であったが、仕事の都合上初日だけ仕事があり、のこりは三連休をとることができた。今回の三連休もまた物欲を満たすことができて大変満足であった。

 

初日は朝から活動的で、午後には新宿に降り立ちレコード屋を数件回って、幾つかの盤を購入した。なかでもお気に入りの盤がコレ↓だった。

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新宿の某有名レゲエショップで購入した。いかんせん個人的にレゲエは全く詳しくなかった。普段あまりやることは無いのだが、その店で店主におススメを伺ったのだ。といっても、本当に有名なbob marley やcarlton and the shoes、そしてfishmansが好みだと伝えたら、幾つかの盤を棚から慣れた手つきで素早く抜いて出してくれた。まるで、数ある盤の全ての位置を把握しているかのように。そのような印象的な動きに感動さえ覚えた。そして、すぐさま、店にあるスピーカーでそれらの盤を流してくれた。

そして耳にとまったのがこの盤のこの曲。

the stylisticsのカバーなんだが、とてつもなく響いた。原曲もとても美しいメロディとハーモニーであることは間違いないのだが、jacob miller版は、それがレゲエ/ロックステディ調でアレンジされているわけである。レゲエ独特のリズムの揺れが原曲と比べると特徴的で、メロディとリズムの相性の良さが、楽曲に美しさだけではないゆとりを生み出す。つい店内でこれが流れだした時には、興奮して体が自然と揺れていた。

↓元ネタ

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